星のムーンサルト

タロットについてのあれこれ

2023-01-01から1年間の記事一覧

法王

法王のカードは、法王を真ん中に2人の司教が並ぶことで正三角が作られる。正三角は神への祈りを象徴する図形であることから、信仰や祈り、保護を意味するのがこのカードである。 変わっていく景色の中で変わらないものがある、そのことは私たちの所在なき心…

悪魔

悪魔のカードのとても面白いことの一つは、その構図を恋人たちのカードと同じくしていることである。愛はあるレベルでは地上最大の幸福のようであるが、あるレベルでは地上最大の苦しみとなる。欲というものの前で、私たちは天にも昇るような気持ちにもなれ…

死神

死というものは人にとって最も怖いことのようだ。それは死の先にあるものが何か、わからないからである。その先に何もない、ということがどういうことかわからない。何かが終わる時も同じだ。何かが終わった後のことがわからないから怖くなる。だから次のこ…

魔術師

春が訪れようとするとき、これから咲き乱れる花々を思い浮かべてワクワクするように、何かが始まる予感、それはまだ起こっていない未来を感じてワクワクドキドキ、心を踊りときめかせる。花が咲かない春なんてないと私たちは堅く信じて疑わない。錬金術もそ…

審判

運命というのは、魂によって起こされる。縁と縁が強く惹きつけ合い、出会うべきものを出会わせ、繋ぐべきものを繋いでいく。 運命の前で、私たちは無力だ。どんなに抵抗しようが、逃げようとしようが、予め仕組まれたかのように動き出してしまう。その動きは…

自分を貫くとは、どんなときも、誰が何を言ったとしても、自分を諦めないことだ。自分が自分で生きていくことを諦めない、信じているならこつこつとでも続けてゆくことだ。若いうちのがむしゃらさも、歳をとってからの洗練された動きも、私たちをある方向へ…

太陽

こころの中では、感じたことが波紋となってその余韻と共に消えてゆく。はねっかえってくることがない世界はどこか心地よくて、ビーン、と弦を指で引いたときみたいな振動がじわじわと全身に広がってゆく感じがする。嬉しいことも、悲しいことも、楽しいこと…

節制

雲が流れてゆくみたいに、全ての出来事は慌ただしく、次の出来事へと移り変わってゆく。するとさっきまで考えていたことは宇宙の彼方へ、今はすっかり別のことを考えている。忙しない景色に立ち止まることができないのは、その忙しなさの中に深く見つめてみ…

吊るされた人

我慢のプロセスの先に何があるのか、という視点を持つことは大切だ。なぜなら私たちは、なんらかの目的を持って、未来に向かって生きているからである。もちろん我慢はしない方がいいし、しなくていい我慢をした方がいい我慢であると認識している人はたくさ…

私たちは夢をみる。それは長い長い精神の旅だ。夢の中では肉体という制限がない分現実よりも鋭くなり、様々な感情を起きている時の何倍もの感覚で感じ取ることができる。愛しい人の中に別の人の面影を見る。それは大きな大きな不安という足跡を残していく。…

隠者

隠者のカードから漂ってくる気配が好きだ。老成した者からしか発することのできない哀愁と静けさと、痛みや苦悩を知る者の優しい眼差しは、若さゆえの過ちをふわりと包み込む暖かさがある。映画スターウォーズで語るならば、隠者はヨーダだろう。(この時点で…

月は美しい。神話や御伽話に登場する月はどこか幻想的で儚く、しかし満ちていくにつれその儚さが色気を帯び強い力を放つようになり、月が出てくるだけで物語がぐっと神秘的になる。その昔、海を渡る人々が夜の海で月の光を眺めながら何を思ったのだろうと考…