星のムーンサルト

タロットについてのあれこれ

審判

運命というのは、魂によって起こされる。縁と縁が強く惹きつけ合い、出会うべきものを出会わせ、繋ぐべきものを繋いでいく。 運命の前で、私たちは無力だ。どんなに抵抗しようが、逃げようとしようが、予め仕組まれたかのように動き出してしまう。その動きは美しく、優雅で、まるで大いなる手が介入したかのようである。一瞬の隙も与えられずに、いつのまにか完璧なレールの上に立たされている。
審判のカードに描かれている光景は、聖書の黙示録のなかのとあるひと場面であるといわれている。黙示録では、神を信じなかった全ての人間が滅びてしまうが、直接殺されるのではなく、自然を失わせることで、人間を死に至らしめる。面白いことに、運命を信じなければ、これと全く同じことが起こる。逃げ道は塞がれ、抵抗は虚しく宙を切る。"私"には直接的に何も起こらない。ただ周りが、状況が、その道を選ばざるをえないように整えられてしまうのである。これが運命でなければ、一体何であろうか。まるで空が、全てを見渡す目を持って生きているようだ。